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宝石の処理について
現在天然宝石は表記法が大きく2つに分類されています、
一つが天然無処理
一つが主に色調の改変を目的とした処理の施された
天然宝石のトリートメントです
数年前までは天然無処理、エンハンスメント、トリートメントの3種類が存在していました。が2004年以降は鑑定鑑別書の表記の内容を実際に宝石をお使いになるお客様にとって分かりやすいように表現方法を変更しています

天然宝石は原石を掘り上げてから様々な加工をして製品化されていく、代表的な加工は、研磨・カットです。ほとんどの宝石は彫り上げられてから研磨して形を整えるカットを施すことになる、宝石のカットは宝石のもともと持つ美しさを引き出す処理なので、天然石の範囲内となります。
この他に宝石の美しさを引き出すための処理が行われるのだが、この処理の程度に対してエンハンスメントとトリートメントと言う表現で区別されていました、現在は天然無処理(Natural・Natural・チュラル・ナチュラル)天然改良(Natural・Enhancement)、ここまでは天然宝石の範囲内です。天然改変(トリートメントTreatment)
人工的に宝石の色調改良を目的に着色処理したり、透明度の向上を目的に不純物を取り除いたりしたもの、の3種類に分類できます。

解り易く美しさの例えとして人間の女性で表現すると・・・
すっぴん状態:天然無処理(Natural・Natural・チュラル・ナチュラル)
お化粧している状態:天然改良(Natural・Enhancement)
ここまでは天然の範囲内です。
整形手術を受けている状態:天然改変(トリートメントTreatment)
となります。ちなみに毛染めは色調の改変をしていますのでトリートメント扱いです!
ただし実際は天然無処理(Natural・Natural・チュラル・ナチュラル)はダイヤモンド、クリソベリル・ガーネットやペリドットなどもともと処理の必要がない宝石を除くと、非常に稀で通常エンハンスメント処理の必要な宝石でNatural・Natural・チュラル・ナチュラルに出会う事は本当に幸運なことなんです!(※その状態で宝石として十分美しいモノのみです。)
通常処理を必要とする宝石の鑑別書(AGL宝石鑑別団体協議会発行の)には

「宝石名〇〇には一般的にエンハンスメントが行われています。」という意味の分かりにくい一文が記載されます

また、トリートメント宝石の場合は「宝石名天然〇〇(処理石)」や「トリーテッド(TR)」などの記載が入りますので、処理石なのか?天然宝石なのか?は解り易くなり簡単に判断できるようになりました、しかし、天然の範囲内であるエンハンスメントに関してはいまだに解り難い状態が続いています。

宝石はお持ちになる方にとってさまざまな記憶や思い出の品物となる大切なものなので、お持ちになる際にそれがどんなものなのか?は知っておいた方がいいと思います。たとえトリートメント宝石であってもお使いいただく方にとっての「宝物」価値はプライスレスだからです。

JJA日本ジュエリー協会とAGL宝石鑑別団体協議会ではエンハンスメント「軽い処理はしてありますが天然石の範囲内です」とトリートメント「処理石」は各宝石ごとに項目が決められていて、この処理方法は、ある宝石ではエンハンスメント処理だが、ある宝石ではトリートメントになるなど、複雑で難しい、今日は一つずつ代表的な例で説明していこうと思います

ちなみに通常処理の必要のない宝石ダイヤモンドについては処理石は全てトリートメントになります、その他の色石の場合様々な処理がエンハンスメント(天然石の範囲内)とトリートメント(処理石の範囲)に分類されています、順番に紹介していきます。

代表的なのが・・・

放射線処理
宝石類に放射線を照射して結晶構造にゆがみを与える処理です。鑑別書のコメント欄には「色の変化を目的とした人為的な照射処理が行われております。」などの記載がされます。ブルーダイヤモンドなどに対して行うことが多く、通常そうしたブルーダイヤモンドは「ブルーダイヤモンド(TR)」とか「トリーテッ・ドブルーダイヤモンド」などど呼ばれています。通常有名なところではブルートパーズは照射処理されています。両者とも被ばくの危険はない安定した状態になってから出荷されてますので、使用に際しては安心してお使いいただけます。

最近話題になったのが

高温高圧プロセス(HPHTプロセスなんて表記になる場合も)
ダイヤモンドを高温高圧の状態にして、結晶格子の歪みを調節して色の改変を図るものです。この高温高圧プロセスからはダイヤモンド本来の褐色を、歪みを強制することで取り除く効果があると言われています。タイプ兇離屮薀Ε鵐瀬ぅ筌皀鵐匹魯ラーレスグレードへ、また調査報告では強制するその途中でピンクが発色する事もわかっていて、ピンクダイヤモンドも出現させれるそうです。同じタイプ兇らはブルー系のダイヤモンドも作り出すことができます。

タイプ気両豺腓話眩任龍制も同時に起こる為、黄色系やグリーン系のダイヤモンドが出現しました、「アップルグリーン」の商標でブランドとして取り扱われていたダイヤモンドもあるほど、鮮烈な美しい発色のダイヤモンドが出現していました。ただし!これ等は処理石ですので、ベースは天然ですが宝石としての価値はありませんのでご注意ください!色の改変を目的としたHPHT(高温高圧)プロセスが施されています。の記載が鑑定書・鑑別書に入ります。

加熱処理
代表格はルビー&サファイヤの「コランダム」です。ルビーは黒味を除き鮮やかな赤色に、サファイヤは白い原石を加熱することで青く発色させています。どちらも掘り出した状態ではとても宝石と呼べる品質ではないモノが、加熱されることで鮮やかな宝石品質に生まれ変わります。この加熱処理はエンハンスメントの範囲内です。因みにサファイヤ類の加熱温度は2100度!コランダムの融点が2250度なのでぎりぎりまで言ってる事に成ります。言い分としては本来マグマによって加熱されるべきものを人為的にしているので天然の範囲内と言う事、

(以前、タイの加熱業者を訪問した際に、加熱の現場に連れて行ってもらったんですが、加熱処理している小屋の20メートル程度までしか熱くて近寄れなかった思い出があります。)

かなりの高温で加熱していきます。コランダムの発色原因は鉄分とチタンの電気交換によるものなので、石内部のチタン成分を加熱融解することで、電気交換を活発にして、色を発色させます。この加熱処理は様々な温度があり宝石によってその温度が変化します、ルビー・サファイヤ・アクアマリーン・トルマリン・タンザナイト・etc
ルビーやサファイヤで加熱処理の必要がない掘られた状態で、すでにきれいな宝石品質を示すものは大変貴重で、「非加熱ルビーや非加熱サファイヤ」「NNルビー」と呼ばれます。

この加熱処理で近年話題だったのが、ベリリウム拡散加熱です。この加熱法は、通常の加熱時にフラックス材の中にベリリウムと鉄を混ぜて、色合いを変化させたいサファイヤと一緒に加熱すると、通常の表面拡散処理とは異なり、着色成分が石の内部深くまで入っていくことから、看破が難しく、さらにそのベリリウムの分量を調整することで、宝石の色調調整ができてしまった!という点にあります、しかもこの処理はデビュー当初、鑑定鑑別機関に看破することが出来なかった為、天然宝石との鑑別結果が出た鑑別書とともに市場を大混乱に巻き込みました。

含浸処理・充填処理
宝石のヒビ部分やわれのある個所、穴、生地不足の部分に対して、無色の樹脂などを含浸する事で、透明度の改善を目的としてる処理方法です。樹脂のほか鉛ガラスなどが含浸される場合もあります。
海底地底湖で結晶するコロンビア産エメラルドなどは、表面にヒビが多く、補強の意味で、通常無色の樹脂を含浸しています、エメラルドの場合、無色樹脂含浸はエンハンスメントの範囲内ですが、これに緑色の補強を目的とした「色つき」の樹脂を含浸した場合はトリートメントとなります。超音波洗浄機にエメラルドをかけた際に、この色あり樹脂が溶けだして、エメラルドの色合いが変化するというクレームが、1980年代には頻発しました。実際には低品質のエメラルドに着色樹脂を含浸して、高品質のように見せた粗悪品だったと言う事ですね。
コロンビア産エメラルドで、宝石の外側に傷のないモノは樹脂含浸の必要がなく「無含浸エメラルド」と呼ばれて大変貴重です。ルビーやエメラルド・ダイヤモンドに含浸した場合はトリートメント扱いになります。

レーザードリル処理
ダイヤモンドの外側から内包物を極小レーザーで穴を穿って取り除く処理です。透明度の改良が目的の処理です。ちなみにこの技術を利用してレーザードリルホールでダイヤモンドをセットした商品はキラキラして本当にきれいです。しかし!これも処理の範囲ですので、宝石としてお求めになるのは危険です。

まだまだ様々な処理があるのでご自身でお確かめください。
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